バイクのエンジンにはロングツーリングや峠ツーリング、サーキットやスポーティーなどなど、さまざまな用途に応じた走行に調整するためのプログラミングが搭載している。
バイクを乗りこなしていくといろいろなモードを試してみたくなるものであるが、そんな走行を制御しているのがECUだ。

ECUって何?

ECUとは、Engine Control Unit(エンジンコントロールユニット)の略称で、エンジンの制御装置のことだ。インジェクション搭載のバイクは全てECUでエンジンをコントロールしている。バイクの出荷時、走行中どのような状態が正しい挙動なのかを計測し、制御値はメーカーや車種によって多少異なることもあるが、上記にあげたようなそれぞれの用途に応じて、世界基準の排気ガス規制または騒音規制に合わせた制御値でプログラミングされている。
ということはつまり、そのバイクがもつ本当のポテンシャルを制御していることにもなるわけだ。たとえば、燃費が悪かったり、パワー不足だったり、アクセルを開いても加速しにくいなどの懸念がある場合、ECUの書き換え(リミッターの解放)で解消することがある。
そもそもECUは、そのバイクを安定して走らせるためのコントロールユニットであり、車検に則っているため基本的には触れないことをおすすめする、
だがもし書き換えをしたい場合、自身では安全な書き換えは難しい。基本的にはECUの書き換えができる専門の技術者がいるバイクショップで書き換えてもらうことになる。ECUの書き換え費用は10万程度と高額だ。費用だけでなく専門的な知識と作業が必要で、しかも車検時には戻す必要もあるので手間も時間も相当にかかってくることを覚悟しなければならない。

ECUの書き換えの注意点

カスタムをせずに簡単にパワーアップしたい場合には、ECUの書き換えを検討してもよいとは思う。しかしデメリットもあるのでよく考えて依頼するようにしよう。 
デメリットとはあまり過度な書き換えつまり、フルパワー化を頼んでしまうと、バイクのエンジンがそれに対応できず故障や壊れる原因になってしまうことだ。さらにあまりパワー重視のセッティングにこだわってしまうと、燃費が悪くなり、かえって走りがギクシャクしてしまうことがある。
費用をかけて書き換えを繰り返したり、壊れてしまうリスクを取ってまで、フルパワーに書き換えたりするのならば、早々にそのバイクを高価買い取りしてもらって、より自身にあったパワー系のバイクを書い直しした方がいい場合もあるだろう。

ECUのまとめ

バイクショップの店員さんや、ツーリング仲間が会話の中で「ECU」が話題になると「なんだそれ?」と思っていた人も、バイクに慣れ、バイクをもっと知りたいと思うようになると、走行性能にもこだわりたくなるものだ。
そんな走行性能に大きな影響のある部品としてECUがあることをおぼえておこう。