ビックスクーターブームが起こった1990年代の前に一世風靡していたのが、和製アメリカンこと「ジャメリカン」だ。その武骨でワイルドなフォルムに魅了されるバイカーは多い。ハーレー、クルーザー等のロードスポーツ系に属する通称「ジャメリカン」とは一体どんなバイクであり、現代どのような立場あるのだろうか。検証してみた。

ジャメリカンとはどんなバイクのこと?

ジャメリカンバイクとは国内メーカーが作ったアメリカンバイク全般を指す。
アメリカンバイクとはいわば、長距離・ 長時間走行に特化したクルーザーバイクの事でロードスポーツ系が多い。
例えば
  • HONDA  レブル250
  • HONDA  Vツインマグナ
  • HONDA  シャドウ400
  • Kawasaki   Z400LTD
  • Kawasaki   バルカンS
  • YAMAHA    ボルト
  • YAMAHA    ドラッグスター250
  • SUZUKI   ブルバード M109R
  • SUZUKI   GSX250L
  • SUZUKI   グラストラッカー
etc…

各バイクメーカから数多くのジャメリカンが発売されており、まさに一世風靡した人気車種だったことがうかがえる。
いいや、それどころか現代もジャメリカンは一定の人気を博しており、メーカーの力作が次々と販売されているのだ。新型レブルなどの進化系ジャメリカンはとても注目度が高い。

 ジャメリカンの誤算と誤解

当初、国内メーカーがアメリカンバイクを制作した目論みは、北アメリカ市場での販売強化・拡大だ。なので「ハーレーより安い」、「ハーレーより故障しない」、「ハーレーより振動が少ない」、「ハーレーより燃費がいい」などハーレーより優れた性能を売り込む戦略であった。
ところが、ハーレーは「Vツインエンジン」を搭載し、独自性を高めることで、それらのメーカーのアメリカンバイクの追随を許さなかった。そして国内メーカーのものは「ジャメリカン」として区別されていくことになった。

そして、ジャメリカンも独自性を強め、日本人にも乗りやすく、日本人の好みのデザインを追求したバイクが作られるようになっていくのだ。

もしかしたら「ジャメリカンはハーレーの代わりで、ハーレーを買えない人がその代用として選ぶバイク」だと思っている読者もいるかもしれない。
しかし、それは考え違いがあると私は思う。
むろん当初はハーレーをモチーフにしたバイクではあったが長い年月の間に、ハーレーにはハーレーの味があり、ジャメリカンにはジャメリカンの味が生まれたのだ。

だから心無い人がジャメリカンに乗っている人にたいして、ハーレーの代用だと決めつけたり、ダサいと言っていたりすることがあるが、それは誤解である。
ジャメリカンもその人の好みによって選ばれるべきジャンルのバイクのひとつになったのだ。

ジャメリカンの魅力

そもそもハーレーは広大なアメリカの大地をソファーにでも座っているような安定感でゆったりと走行するように設計されていて、タンデムやロングツーリングに最適なバイクだ。そのため日本のような狭く、細い道やスピードを出すのには向いていない車種といえる。
一方ジャメリカンは車体幅を日本の道路に合わせコンパクトにしている分、ハーレーほどのどっしりとした重量感はないが、その分小回りが利き、スポーティーな走行も可能だ。

また、ジャメリカンは80年代に人気のあったネイキッドのスポーツタイプをミックスしているデザインが多いため、新しく発売されるモデルであっても、どことなくレトロ感のあるデザインが組み込まれている。そのデザインを趣がありかっこいいと言う人も多いのだ。


ジャメリカンバイクをレンタルしてみよう

ジャメリカンバイクに乗ったことのない人はレンタルバイクにも多数ラインナップされているのでぜひ試してみて欲しい。
ジャメリカンならではの魅力を感じてほしいので、ここでは大型ではなく、乗りやすい排気量の車種を紹介しよう。

レンタルバイクジャパンのラインナップより

レブル250

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2017年に登場して以来爆発的な人気で一躍HONDAのベストセラーバイクの一台となったレブル250。累計販売台数は4万台とも言われている。
2021年度の126~250cc販売台数もNO.1だ!
新型レブル250はジャメリカンのリバイバルを果たしたといえよう。
とにかく乗っていてサマになるスタイルは女性にも人気があり、気軽にのれるジャメリカンとして見逃せない。

ドラッグスター400

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1983年ドラッグスターの誕生は国産のアメリカンバイクが「ジャメリカン」と揶揄するような言い方をされていた時代に終止符を打ったと言っても過言ではない。国内のジャメリカンバイクの地位をグっと上げた功績のあるバイクだ。その理由といえば、なんと言ってもそのかっこいいスタイルがバイカーたちのハートを鷲掴みにした。そして400CCという排気量の割に車体は大きく、まるで大型バイクのような大迫力が備わっている。

実際の走りの印象としては、高速やまっすぐな道を走るのに快適ではあるが、取り回し、コーナーリングは少々苦手という特徴があるように思う。
とは言えとにかく人気は高い!
しかしながらこのドラッグスターも「平成28年排出ガス規制」の影響を受け生産が終了してる。

ドラッグスター250

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より広い層へも普及するよう、ドラッグスターの250CCが発売されたのは1988年のことだ。
400CCより軽く、細長い印象だがその圧倒的なかっこいいフォルムは継承されている。
取り回しのしやすさ、乗りやすさは、女性でも楽に運転ができるであろう。
むろんこの車種でパワーを期待してはいけないが独特のパルス感を愉しんで欲しい。