ソロツーリングや仲間とツーリングを楽しんでいいるとき、休憩中などに「何CCのバイクに乗っているの?」と話しかけてくるおじさんのことを「ナンシーおじさん」と呼ぶそうだ。
そうたずねてくる意図は「排気量マウント」のケースが多いという。

「250ccのバイク乗ってて疲れない?」「125ccは原付だよねぇ」などと排気量が小さいバイクを見下す発言でマウントを取ってくる人には、次のような特徴がある。
  • 傲慢である
  • 決めつけたがる
  • 思い通りにならないと怒る
このように「排気量マウント」とは主に1,000cc以上の大排気量バイクにのっているライダーが、250ccや125ccなど小排気量のバイクのライダーへ向け、自分のほうが優位であることを示す行動のことだ。

大排気量が優位なわけでも、偉いわけでもなく、それぞれのバイクに良さがあることは公然たる事実なのだが、「大型」・「大排気量」信者のライダー(特に年配ライダーに多い傾向がある)はそれを「偉いこと」「誇れること」ととらえており、マウントを取ろうとしてくる。
小排気量のバイクのライダーはそれで嫌な気分にさせられてしまう場合があるのだ。

そんな迷惑な排気量マウントを取ってくる「ナンシーおじさん」撃退法を紹介していこう。

 マウント「ナンシーおじさん」の心理 

排気量マウントを取ってくる「ナンシーおじさん」には自分が優れたドライビングテクニックを持っているという自負がある人がいる。
というのも、昭和50年(1975年)頃からは、大型免許を取得することは司法試験を合格するのと等しいと言われるほど難関で、なんとその合格率は1%と言われ、「一発試験」のみだった。
その狭き門を突破したのがこの「ナンシーおじさん」というわけだ。
だから自慢したい気持ちも分からなくはないのだが、今はそれほど大型免許の取得は難しくはない。

当時の大型免許制度は、ハーレーやBMWなどを大型車を輸入する海外から不満が出ており、規制緩和を要請された経緯がある。
だから今は大型免許でも教習所を卒業すれば取得できるようになっているのだ。また「ナンシーおじさん」がマウントをとるのは、単に経済力をアピールしている場合もあるだろう。

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 おせっかい「ナンシーおじさん」の心理 

「ナンシーおじさん」にもただ単にマウント取りを快感としているカタルシス型の人もいるが、純粋に大型バイクの楽しさを知ってもらいたい、もっとバイクの奥深さを感じてほしい、上達法を教えたいという親切心でアドバイスをしているという人もいるようだ。

大型バイクの魅力についてたくさん話したいことがあるのは分かるのだが、どちらにしても、自分都合で話しかけ、相手の気持ちを害してしまうなら、それはただのおせっかいで、迷惑行為になってしまうだろう。

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 「ナンシーおじさん」撃退法

 そんなときに他人から話しかけられたりしてはせっかくの時間が台無しだ。

そこで「ナンシーおじさん」の3つの撃退方法について紹介していこう。

 ①プロっぽく見せる 『隠れ身の術』

「ナンシーおじさん」はオシャレ過ぎる空間が苦手だったり、センスのよい居心地のよいところにはよってこなかったりという特徴から、おしゃれなカフェの店舗に入ってしまうのもおすすめだ。

そして2つ目はバイクをプロっぽく扱うテクニックだ。
特にもっともバイクを倒しやすいタイミングは取り回し。そこでもたついていると、素人感が丸出しになりナンシーおじさんの餌食になりかねない。

そこで、取り回しの際プロっぽく見せるポイントをお伝えしよう。

  1. バイクは地面と垂直に近くなるようにしながら前進をする。その際身体と反対側だと倒してしまうため少しだけ身体に寄せる気持ちぐらいがちょうどいい。
  2. 前進からバックする際は、一旦静止してしまうのではなく、ブレーキをかけたタイミングを利用しフロントフォークの反動を利用するとスムーズだ。
  3. バックするときは効き手をバイクのシート後方に置き強く抑えながら進行する。もう片方の手はハンドルにかけ方向のコントロールだけを意識し力を入れないようにする。
またバイクにもどる際は、のろのろしないで、できるだけササッと出発してしまおう。

 ②曖昧な返事で応対する 『のれんに腕押しの術』

「マウントをとる」人は結局のところ自分に自信がないだけだ。
それをバレないように必死で強く見せている行為なので、相手にするだけこちらが損をするものだ。

相手のアラを指摘したり、相手の言葉に反応したりする行為は泥沼化するだけである。
勝負に乗らないこと、そして相手にしない「のれんに腕押し」状態で振る舞うことことが一番大事なのだ。

いちいち「ナンシーおじさん」のいったことに反応せず、話しかけられたくないオーラを出し、会話を断絶するように振る舞ってしまおう。

例えば受け答えは「へぇ~」や「ふ~ん、そうなんですか」など受け答えのみにし、手短に済まそう。
その際いい反応を示さないように注意し、上の空という感じで接すればすぐに退散していくだろう。

 ③フレーズで切り捨てる 『一文字斬り』 

あまりにもしつこい人や、自尊心を傷つけられるような発言が多い人には反撃も必要だ。
マウントを取る人はプライドが高く、結局のところ臆病な性格の裏返し。
意外と撃退するのは難しいことではないだろう。

そこで必殺フレーズとしてここでは3つ紹介しよう。

  1. 「そういうの大丈夫です」:この返事だけをただ繰り返すことだ。それ以上はもう何も言ってこなくなることだろう。
  2. 「あの、何CCが偉いのでしょうか?」:相手に発言の意味を問いただすことによって、恥ずかしい行為だということに気づかせるフレーズだ。
  3. 「すごいですね」:最後はムッとした気持ちをグッとおさえ逆にほめてあげるという方法もある。ナンシーおじさんがマウントを取ってくるポイントではなく、容姿や服装などなんでも構わない。相手は自信がないからこそ、そのほめ言葉が心に染み入りあなたを攻撃する気力は無くなるだろう。


以上、排気量マウントを取ってくる「ナンシーおじさん」撃退法について紹介してきた。

しかし、怒らせてしまったり、変なトラブルにまきこまれないためにも、できるだけ距離をとったり、誰かと一緒にいるような様子をにおわせたりして、警戒することがもっとも大切である。

最後に私の持論ではあるが、サイズが大きい免許を取れば、それより小さいサイズのものは全て凌駕していると言えるが、排気量は決してそうではないのがバイクなのだ。